『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- 未熟児呼吸窮迫症候群(RDS)とは,肺の虚脱を防ぐサーファクタントの欠如のために起こる新生児の呼吸障害であり,本検査はこのRDSを発症する可能性の高い妊娠32週未満の早産に対し有用となる.
- 肺サーファクタントの主成分であるレシチンは妊娠週数の増加とともに上昇するのに対し,スフィンゴミエリンはほぼ一定であるため,妊娠週数が進むにつれL/S比が上昇する.L/S比が2.0以上になると肺は成熟していると判断でき,RDSになる危険性は低い.
- 肺サーファクタントは胎児が成熟するにつれて羊水中に流出するため,羊水を採取することによって,肺サーファクタント中のL/S比を分析することができる.
- この検査には,一定の羊水量が必要で,しかも混入物のない羊水であることが条件である.また,その測定には煩雑な手技と時間を要するため,臨床の場ではあまり利用されなくなった.胎児超音波診断の進歩や,人工肺サーファクタントの利用,高性能の人工呼吸器の普及により,RDSの予知や発症に十分対応できる環境が整いつつある.
基準値・異常値
不特定多数の正常と思われる個体から統計的に得られた平均値。 |
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低値 |
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低値 |
未熟児呼吸窮迫症候群(RDS)
未熟児呼吸窮迫症候群(RDS) |
次に必要な検査 |
羊水中肺サーファクタントアポ蛋白,ホスファチジルグリセロール(PG)測定,マイクロバブルテスト,泡沫安定性試験(シェイクテスト),胎児超音波診断
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変動要因 |
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( 扇谷晶子,宇治義則 )