顆粒球マクロファージコロニー刺激因子
顆粒球マクロファージコロニー刺激因子
略称 | GM-CSF |
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臨床的意義
- GM-CSFの増減と疾患との関連性は確立していないため,研究目的を除けば,臨床検査としての意義は限られる.好中球,単球,好酸球の増多が認められ,その原因が特定できない場合に,病態解析の目的で測定することがある.
- 造血とサイトカインについてさらに調べるのであれば,SCF(stem cell factor),G-CSF,IL-3,IL-4,IL-5,M-CSF,EPO,TPOなどのサイトカインを測定する.
- 絨毛上皮癌,大腸癌,非小細胞肺癌などの一部の症例で,腫瘍細胞自身がGM-CSFを産生したり,周囲の細胞のGM-CSF産生を誘導している場合には,血清GM-CSF濃度が腫瘍マーカーとして利用できる可能性がある.
- 特発性肺胞蛋白症が疑われる場合は,血清の抗GM-CSF抗体を測定する.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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2pg/ml未満(参照値)
変動要因 - 高値
- 変動要因
- ELISA法で予想外の値が認められた場合は,MO7E細胞などの,GM-CSFに反応して増殖する細胞株に,患者血清を添加して細胞増殖を測定するバイオアッセイを行う.ただし,増殖促進が混在する他のサイトカインの効果でないことを確認するため,血清とGM-CSF中和抗体の前処置による増殖刺激効果の抑制を確認する必要がある.
( 東田修二 )
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