PAS染色
PAS染色
別名 | パス染色 |
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臨床的意義
- リンパ球系細胞は,正常人の陽性率は1~4%で滴状であるが,急性リンパ性白血病L1,L2の約1/2~2/3は特徴的な粗大顆粒状,斑状,帯状陽性であり,L3は陰性である.
- 好酸球増加を伴った急性骨髄性白血病の好酸球顆粒は,正常では陰性であるが,強陽性を示す.急性赤白血病(M6)の赤芽球様細胞は,正常では陰性であるが,顆粒状~びまん性陽性となる.サラセミア,鉄欠乏性貧血,巨赤芽球性貧血,急性骨髄性白血病,骨髄異形成症候群の赤芽球でも弱陽性を示す場合がある.急性骨髄性白血病の赤芽球がPAS陽性の場合,予後不良という報告がある.
- 一種類の芽球の陽性率を報告するが,染色態度を観察することにより特徴的なPAS染色陽性所見に臨床的な意義がある.
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基準値・異常値
- 高値
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サラセミア、 急性リンパ性白血病、 急性骨髄性白血病、 巨赤芽球性貧血、 骨髄異形成症候群(MDS)、 骨髄線維症、 再生不良性貧血、 赤血病、 赤白血病、 鉄欠乏性貧血
- 次に必要な検査
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- モノクローナル抗体を用いた細胞表面マーカーの検索.染色体検査の実施.
- 急性リンパ性白血病(ALL),急性赤白血病(M6)でPAS染色陰性の場合,必ずしも診断を否定できるわけではないので,必要に応じ他の特殊染色(POD染色,SBB染色)で確認する.
( 桑島 実 )
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