シュガーウォーターテスト

別名	砂糖水試験，ハルトマン（Hartmann）試験，ショ糖溶血試験

クームス試験陰性かつ血管内溶血をきたす溶血性貧血が疑われるとき，鑑別診断に用いられる．
本試験が陽性（溶血）を示した場合，その溶血は，赤血球膜の補体感受性が亢進しているために生じた補体溶血であり，抗体の介在なしに生じていることが示唆される．
PNHでは，睡眠により生理的にアシドーシスになると，補体が赤血球に付着し溶血が起こりやすくなるため，早朝，暗赤褐色尿をみることが多い．
シュガーウォーターテストは陽性に出やすいので，PNHのスクリーニング検査として用いられる．しかし，PNH以外に，自己免疫性溶血性貧血でも陽性を示すことがあり，特異性の点でHAM試験に劣る．

詳細を見る

基準範囲

陰性（溶血度5％以下）
変動要因

陽性

再生不良性貧血-PNH症候群、自己免疫性溶血性貧血、発作性夜間ヘモグロビン尿症（PNH）

・溶血度10％以上：発作性夜間ヘモグロビン尿症（PNH），再生不良性貧血-PNH症候群，自己免疫性溶血性貧血

次に必要な検査

PNHを確認するためにHAM試験を施行する．また，赤血球と顆粒球についてフローサイトメトリーのtwo-color解析を実施し，DAF（CD55）およびMIRL（CD59）が欠損した血球群が確認されれば，PNHと診断できる．
PNHでは，好中球アルカリホスファターゼ，赤血球膜アセチルコリンエステラーゼ，造血幹細胞（CFU-EやBFU-Eなど）が減少し，補体感受性試験では感受性の増強がみられる．

変動要因

（村上純子）

「最新　臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。