2,3-ジホスホグリセレート
2,3-ジホスホグリセレート
略称 | 2,3-DPG |
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別名 | 2,3-ジホスホグリセリン,2,3-ビスホスホグリセリン酸 |
臨床的意義
- ヘモグロビンの酸素結合はpH,2,3-DPG,温度などの影響で変化する.2,3-DPGは酸素よりヘモグロビンに対する親和性が高く,ヘモグロビンと酸素の結合を調節することで,組織における酸素の放出を調節している.そのため血液中の2,3-DPG濃度とヘマトクリット値またはヘモグロビン濃度から赤血球中あるいはヘモグロビンに対する2,3-DPG濃度を求めることにより末梢組織における低酸素症の有無が明らかになる.
- チアノーゼ性先天性心疾患やうっ血性心不全を伴う心疾患では低酸素の程度や病態の評価の指標として有用とされる.また,肝疾患での低酸素症において,呼吸性アルカローシスはアシドーシスより2,3-DPGの上昇の程度が大きい.
- 赤血球酵素異常や糖尿病ケトアシドーシスおよびその回復期に2,3-DPGは大きく変動する.糖尿病ケトアシドーシス患者では,血液pHの低下によりホスホフルクトキナーゼ活性が阻害されるために2,3-DPGが著減すると考えられている.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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- 〈全血中〉
男性1.74~2.26μmol/ml
女性1.52~2.08μmol/ml - 〈赤血球中〉
男性3.67~5.01μmol/mlRBC
女性3.84~5.34μmol/mlRBC - 〈ヘモグロビン中〉
男性10.75~14.77μmol/g Hb
女性11.69~15.25μmol/g Hb
- 〈全血中〉
- 高値
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チアノーゼ性先天性心疾患、 ピルビン酸キナーゼ欠損症貧血、 甲状腺機能亢進症、 慢性肺疾患
- 低値
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ヘキソキナーゼ欠損症、 遺伝性球状赤血球症、 赤血球ホスホフルクトキナーゼ欠損症、 糖尿病ケトアシドーシス
赤血球ホスホフルクトキナーゼ欠損症,ヘキソキナーゼ欠損症,糖尿病ケトアシドーシス,遺伝性球状赤血球症
- 次に必要な検査
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ヘマトクリット値やヘモグロビン濃度あるいは血中酸素飽和度を測定する.
( 〆谷直人 )
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