コレステロールエステル比
コレステロールエステル比
略称 | E/T |
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別名 | コレステロール/コレステロールエステル比 |
臨床的意義
- 血中の遊離型コレステロールは主として高比重リポ蛋白(HDL)表面において,LCATの作用を受けてエステル化され,エステル型コレステロールに転換される.HDLに形成されたエステル型コレステロールはコレステロールエステル転送蛋白(CETP)の作用で超低比重リポ蛋白(VLDL)や低比重リポ蛋白(LDL)などに転送される.
- したがって,LCATの作用が低下すると上記の過程が障害され,結果的にエステル型コレステロールの減少,すなわちコレステロールエステル比の低下がもたらされることになる.LCATの遺伝的異常やLCAT合成臓器である肝臓の実質障害の際に低下する.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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65~80%
変動要因 - 高値
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Wolman病(エステル型コレステロール蓄積症)
Wolman病(エステル型コレステロール蓄積症)
次に必要な検査
- 酸性リパーゼ活性の測定.
- 腹部エコーやCTなどによる肝脾腫や副腎石灰化所見の検索.
- 低値
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LCAT(レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ)欠損症、 肝硬変、 急性肝炎極期、 魚眼病、 閉塞性黄疸、 慢性肝炎
- 変動要因
- 採血後,検体を室温に放置しておくと,LCATによるエステル化反応が進行するため,コレステロールエステル比は高値となる.
( 石井周一 )
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