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カリウム(尿)

カリウム(尿)

別名 K(尿)

臨床的意義

  • 一般に,低K血症の成因を明らかにするとき(消化管からの喪失か,腎からの喪失か)や,K投与が適切かどうかの判断,原発性アルドステロン症が疑われるときの確定診断の指標として用いる.ただし,他の検体検査,画像診断が進歩した現在,検査の頻度は減少している.
  • 消化管からのK欠乏による低K血症では尿中Kは随時尿で10~20mEq/l以下となる.また,腎性のK喪失では10~20mEq/lとなる.K過剰投与による高K血症では尿中Kは一般に高値を示す.
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基準値・異常値

基準範囲
38~64mEq/day,2.0~2.5g/day,20~120mmol/day
変動要因
高値

アルドステロン分泌過剰(原発性アルドステロン症)、  エタクリン酸など各種利尿剤投与時、  サイアザイド、  フロセミド、  過剰K摂取、  飢餓、  発熱、  慢性消耗性疾患

サイアザイド,フロセミド,エタクリン酸など各種利尿剤投与時,アルドステロン分泌過剰(原発性アルドステロン症),過剰K摂取(輸液,K製剤),蛋白質の異化亢進(飢餓,発熱,慢性消耗性疾患など)

低値

アルドステロン分泌不全、  下痢などによる消化管からの喪失、  摂取不足(まれ)、  嘔吐

摂取不足(まれ),嘔吐下痢などによる消化管からの喪失,アルドステロン分泌不全(Addison病,スピロノラクトン投与時など)

次に必要な検査
尿Kが高値のとき,過剰投与が否定されたら原発性アルドステロン症を疑い,副腎腫瘍診断のための検査(血中アルドステロンコルチゾール11-OHCS測定,腹部超音波エコー,CT,MRI)へと進める.低値のときは消化管の機能を知ることが必要である.
変動要因
  • 尿Kが15mEq/lを示したとき,被検尿が何らかの理由で希釈されている可能性がある.
  • またイオン選択電極法による検査では,消毒薬(塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム)の混入により異常高値を示すことがある.
( 伊藤機一 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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