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ピルメノール

ピルメノール

別名 塩酸ピルメノール

臨床的意義

  • 腎機能低下患者には,投薬に際して患者ごとの血中濃度モニタリングが必要になる.特に,高齢者では腎機能が低下していることが多く,副作用を発現しやすい.また,服薬コンプライアンスの判断の推定において,血中濃度測定は有用である.
  • ピルメノールについては,有効血中濃度域が狭いために,無効の場合や過量投与により,QT延長,心室細動,心室頻拍(torsades de pointesを含む),徐脈,失神痙攣および血圧低下などを引き起こす可能性がある.
  • 下記の基準が腎機能低下患者における用量設定の目安となる.
    1. 軽度~中等度腎機能障害(30ml/min≦クレアチニンクリアランス<70ml/min):血中消失半減期と血中濃度曲線下面積は,腎機能正常患者に比べて,それぞれ約1.5倍と約2倍に延長・増大する.
    2. 高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス<30ml/min):血中消失半減期と血中濃度曲線下面積は,腎機能正常患者に比べて,それぞれ約1.5倍と約3倍に延長・増大する.
副作用
  • 主な副作用として,便秘,胃部不快感,尿閉排尿障害などの泌尿器系症状,頭痛,不眠,口中苦味,悪心および口渇がある.
  • 重篤な副作用として,心不全,心室細動,心室頻拍(torsades de pointesを含む),房室ブロック,洞停止および失神があげられる.そのほかにピルメノールに特徴的な副作用として,低血糖がある.
適応症
(心室性)頻脈性不整脈(他の抗不整脈薬が使用できないか,または無効の場合)
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基準値・異常値

基準範囲
有効血中濃度
  • 0.4~2.0μg/ml(推奨血中濃度:1.0μg/ml付近)
変動要因
適応症

頻脈性不整脈

変動要因
対象患者の腎機能を考慮して,ピルメノールの用法用量が適正か否かについて判断する.それらに問題がなければ,対象患者の服薬コンプライアンスを確認し,用量調節を行う.
( 内藤隆文,川上純一 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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