ロイコトリエンC4
ロイコトリエンC4
略称 | LTC4 |
---|
臨床的意義
- LTC4は,アレルギー反応や炎症反応の強力なメディエーターであり,末梢気道の収縮を惹起し,粘液の分泌を促進し,毛細血管の細静脈側において,血管透過性を亢進させる.したがって,喘息やアレルギー,肺高血圧症,新生児の低酸素血症,のう胞性線維症,肺炎,乾癬などの発症に関わる.また,最近では,その一過性の血管収縮作用が,冠不全や狭心症あるいは脳血管障害にも関与することが示唆されている.通常,健常人では感度以下とされている.
- LTの受容体には,CysLT1とCysLT2の2種類が存在することが明らかにされている.CysLT1拮抗薬が喘息の治療薬として臨床応用されている.
- 最近,LTC4合成欠損症(筋緊張低下,弛緩性麻痺,精神運動発達遅滞を示す)が発見され,脳脊髄液中のLTC4,LTD4,LTE4は測定感度以下であり,LTB4が正常か増加していることが診断に有用である.
詳細を見る
基準値・異常値
- 基準範囲
-
測定感度(10pg/ml blood)以下
- 高値
-
のう胞性線維症、 乾癬、 冠不全や狭心症、 新生児の低酸素血症、 脳血管障害(特に脳梗塞)、 肺炎、 肺高血圧症、 喘息やアレルギー
- 低値
-
LTC4合成欠損症、 重症敗血症患者
LTC4合成欠損症,重症敗血症患者
( 片山茂裕 )
「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。