ヒスタミン(尿)
ヒスタミン(尿)
臨床的意義
- 本検査は,次の場合に行われる.
①アレルギー疾患を疑うとき.
②immunotherapy reactionの経過観察.
③肥満細胞症の診断,経過観察. - 尿中ヒスタミンの測定意義は血漿中と同様であるが,ヒスタミンの血中半減期が短いため,排泄されたヒスタミンを1日量として測定する方が有効である.
- 24時間蓄尿中のヒスタミン量を知ることにより,アレルギー症状の程度を推測する.
詳細を見る
基準値・異常値
- 基準範囲
-
5~50μg/day
変動要因
-
高値
-
アナフィラキシー反応、
気管支喘息、
真性多血症、
肥満細胞症、
慢性骨髄性白血病、
蕁麻疹
気管支喘息,蕁麻疹,アナフィラキシー反応,真性多血症,肥満細胞症,慢性骨髄性白血病
- 次に必要な検査
-
- アレルギー疾患の診断のためには,原因抗原と,この抗原に対応する抗体あるいは細胞を証明するか,問題となる抗原が臨床症状とかなり密接な関係があることを示す必要がある.
- アレルギーの諸検査には次のようなものがある.
- 皮膚反応(プリック法,PK反応,皮内試験).
- 誘発試験RAST,ヒスタミン遊離試験,リンパ球刺激試験(LST).
- 変動要因
- 高値:食後1~3時間では4倍ほど上昇する(食後,胃粘膜が刺激されてヒスタミンが遊離し血中へ吸収されるため).
- 低値:ガラス器具の使用の有無を調べる.
( 浅野 博 )
「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。
「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.