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テロメラーゼ活性

テロメラーゼ活性

別名 テロメラーゼ逆転写酵素(telomerase reverse transcriptase:TERT)

臨床的意義

  • テロメラーゼは,癌細胞,生殖原細胞(精母細胞,卵母細胞),胎児組織,腸管粘膜,CD34CD38の血液幹細胞,活性化した末梢T・B細胞で発現し,これら細胞では細胞分裂ごとにテロメアの長さが短縮しないよう調整している.分裂の激しい癌細胞のテロメア長は,一般に短縮しているため,テロメラーゼが発現してテロメアの消耗を補う.
  • テロメラーゼの発現は,染色体の不安定性を伴い,癌細胞の悪性化の指標となる.前癌病変でも陽性を示す.癌が進行するほど上昇し,また転移巣は原発巣に比べ高い.神経芽細胞腫では自然退縮を含む予後良好群より集学的治療に抵抗し,進行の速い予後不良群で活性が上昇している.
  • テロメラーゼは癌だけでなく,免疫・老化の病態形成にも深く関与する可能性が指摘されている.
  • 核酸類似化合物である抗AIDSウイルス薬のアジドチミジン(AZT)や抗腫瘍薬の5-フルオロウラシル(5-FU)は,テロメラーゼ活性を抑制することが明らかにされている.
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基準値・異常値

基準範囲
陰性
変動要因
陽性

胃癌、  急性白血病、  神経芽細胞腫、  腎癌、  前立腺癌、  大腸癌、  乳癌、  肺癌

胃癌大腸癌乳癌,腎癌,前立腺癌,肺癌,神経芽細胞腫,急性白血病

次に必要な検査
癌の病勢,予後の推定は,形態学的検査,遺伝子検査などを併せて総合的に行う.
変動要因
皮膚表皮,腸管粘膜,血液細胞に低い活性が認められるため,癌や前癌病変での活性の評価は発生母地との比較が大切である.被検組織中における末梢リンパ球の浸潤の有無,腸上皮の腺管などの混入の有無を確認する.
( 宮地勇人 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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