腸重積症
intussusception
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「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
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Clinical Chart
- 腸重積とは口側腸管が肛門側腸管に引き込まれ,腸管壁が重なり合うことによって起こる腸閉塞症であり,多くは回腸が結腸に入り込む回腸結腸型である.また腸管とともに腸間膜の動静脈も引き込まれるため腸管の循環障害を伴う絞扼性腸閉塞症である.
- 腸重積症の 3 主徴は嘔吐,腹痛(不機嫌),粘血便で,最初からショック状態,傾眠に陥ることもある.離乳期から 3 歳に多くみられ,原因のない特発性が多いが,年長児ではポリープ,メッケル憩室など器質的疾患が原因となりえる.
- 診断がつき次第,非観血的整復術(高圧浣腸)を行うが,発症後長時間(24~48 時間以上)経過例,一般状態不良例,注腸整復不成功例,器質的疾患合併症例は観血的治療を考慮する.
- 2012 年 2 月に「エビデンスに基づいた小児腸重積症の診療ガイドライン」が日本小児救急医学会より発刊されており,推奨される診療行為には推奨度が付記されており,参考に診療を行う.
診断のチェックリスト
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図2 Target sign
a:典型的な超音波画像であり,腸間膜が同時に陥入していると crescent-in-doughnut sign とも表現される.b:高圧浣腸で整復できないため器質的疾患の合併を疑いCTを撮影した症例である.器質的疾患は認めずCTでもTarget signを認める.
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表1 小児腸重積症の重症度評価基準(試案)
重 症 全身状態が不良,または腸管壊死が疑われる以下のいずれかの状態を有する
1 )ショック症状
2 )腹膜炎症状
3 )腹部単純Xp で遊離ガス像中等症 全身状態が良好で,腸管虚血の可能性を示す以下のいずれかの条件を有する
1 )初発症状からの経過時間が48 時間以上
2 )生後3 か月以下
3 )先進部が脾弯曲より肛門側
4 )回腸回腸結腸型
5 )白血球数増多(>20,000/μL),CRP 高値(>10 mg/dL)
6 )腹部単純Xp で小腸閉塞
7 )超音波検査所見で血流低下,腸管重積部の液体貯留,病的先進部の存在軽 症 全身状態が良好で,「重症」「中等症」の基準を満たさないもの