腹痛
abdominal pain
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「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
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Clinical Chart
- 乳幼児では「お腹が痛い」と訴えても,実際には腹痛ではなく,頭痛の表現だったりする.幼児以上では患児に痛いところを指さしさせてみる.
- 腹部の触診は枕をさせないで,患児の表情,反応を注意深く観察しながら繰り返し行う.
- 腹痛の部位と性状,随伴症状から器質的疾患か機能的な腹痛かある程度わかる.臍より遠ざかるほど器質疾患が強く疑われる(虫垂炎は臍周囲痛から始まることが多い).
- 腹痛の原因疾患は年齢により好発疾患がある.
- 急性腹症は手術について迅速かつ的確な判断が要求されるため,常に念頭に置いておく必要がある.
チェックポイント
①腹痛の部位と性状:限局性かびまん性か,間欠性か持続性か痛みの性状を聞く.
②随伴症状:嘔吐,
下痢,腹部膨満,
発熱など全身性の疾患の有無について考慮する.
③検尿:尿路感染症,腎結石などの有無.
④血液検査:白血球数(炎症性疾患),貧血(消化管出血,腹腔臓器出血),アミラーゼ(膵炎)ほか.
⑤腹部Xp:立位で横隔膜下でのフリーエアーの存在(腸管穿孔),ニボーの存在(イレウス),腫瘤や石灰化に注意して読影する.
⑥腹部エコー:腸重積,虫垂炎などの診断に有用.
⑦便細菌検査:細菌性腸炎,食中毒の原因検索.