『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- 本検査は,臨床症状から先天性ムコ多糖症が疑われる場合に行われる.
- 現在までに遺伝性ムコ多糖代謝異常症は十数種類が明らかとなっている.これらは酸性ムコ多糖体を分解する酵素が欠損したために細胞内に代謝中間物質が蓄積し尿中に排泄されたものである.
- 24時間尿中に排泄された酸性ムコ多糖の分子種およびその割合を明らかにすることにより,ムコ多糖症の判定および分類をすることができる.たとえば,ムコ多糖症で最も代表的なHurler症候群(mucopolysaccharidosisⅠ型,MPSⅠ型)はα-l-イズロニダーゼ欠損であり,主にデルマタン硫酸が蓄積する.MPSⅡ型はイズロン-2-硫酸スルファターゼ欠損で,ヘパラン硫酸およびデルマタン硫酸が増える.ヘパラン硫酸が増加するMPSⅢ型は欠損酵素の違いによりA,B,C,Dの病型に分けられる.また,ケラタン硫酸の蓄積を認めるMPSⅣA型,B型,デルマタン硫酸のMPSⅥ型など,いずれも欠損酵素が明らかになっている.
- ムコ多糖症は常染色体劣性遺伝形式をとるが,MPSⅡ型はX染色体劣性遺伝であり原則として男性に発症する.その他ではデルマタン硫酸は線維性病変で増加し,ヒアルロン酸は肝硬変症でも増加する.
基準値・異常値
不特定多数の正常と思われる個体から統計的に得られた平均値。 |
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高値 |
MPS 型(Maroteaux-Lamy症候群)、 MPSⅠ型(Hurler症候群)、 MPSⅠ型(Scheie症候群)、 MPSⅡ型(Hunter症候群)、 MPSⅢ型(Sanfilippo症候群A~D型)、 MPSⅣ型、 MPSⅥ型(Werner症候群)、 肝硬変症、 関節リウマチ、 全身性エリテマトーデス、 全身性強皮症
次に必要な検査
遺伝子レベルの病因が解明されている各代謝異常症に対する遺伝子型を確認する.
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変動要因 |
尿路感染症の有無,防腐剤使用の有無を確認する.
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( 椿 秀三千 )