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かぜ症候群

別名 cold syndrome

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 主にウイルス感染により鼻咽頭の気道粘膜炎症症状を呈する疾患の総称で,通常 3~7 日(平均 4 日)程度で治癒する.
  2. 乳幼児に罹患率が最も高く,年長になるに従って罹患率が低下する.特に集団生活(保育所,幼稚園)を始めた数か月間の罹患率が高い.
  3. 乳幼児では感染初期に 38~40℃の発熱で発症することが多く,不機嫌,哺乳力低下(食欲不振),嘔吐下痢を伴うこともある.鼻水などの鼻症状も比較的早期に認める.
  4. 合併症として,細菌の二次感染による中耳炎,肺炎,副鼻腔炎,リンパ節炎などがあり,喘息様気管支炎,気管支喘息,急性胃腸炎も誘発されやすい.
  5. 治療は,安静,保温,水分補給の一般療法と,発熱,咳,鼻水などに対する対症療法が主体.抗菌薬の予防投与については実証的な根拠はない.
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臨床症状

①鼻粘膜症状(鼻炎・普通感冒)
 鼻閉,くしゃみなどの症状で始まり鼻汁を訴えるようになる.鼻汁は水溶性~粘液性で時に粘液膿性になる.咳・発熱は軽微で他覚的所も乏しい.最も代表的なウイルスはライノウイルス,次いでコロナウイルスが多い.
②咽頭症状(咽頭炎)
 咳・鼻汁以外に発熱・咽頭痛を訴える.溶連菌による咽頭炎は口蓋弓から軟口蓋にかけて強い発赤像を示し咽頭痛を強く訴えることが多い.
③喉頭症状(仮性クループ)
 2~5 歳の幼児に多く,夜間突然に吸気性喘鳴が出現し犬吠様咳嗽を呈してくる.
④咽頭結膜熱(夏かぜ)
 発熱・咽頭炎・結膜炎の症状を主とする.夏期に流行の山がみられたが,春と秋にも小さな流行の山がみられる.プールを介して流行すことから「プール熱」ともいわれる.アデノウイルス(1,2,3,5,6,7a,14 型)による.夏かぜにはこれ以外に,エンテロウイルスによるヘルパンギーナ・手足口病がある.
⑤気管支症状(気管支炎・喘息様気管支炎)
 乳幼児はかぜに引き続いてかかりやすい.咳嗽ははじめ乾性で分泌が増強してくると湿性となり,2 歳未満の乳幼児では痰の喀出ができないため,喘鳴を呈してくることがある.時に喘息発作との鑑別が困難な場合もある.
インフルエンザ様症状
 インフルエンザウイルスには,A,B,C 型がある.A 型ウイルスにはH1N1(イタリアかぜ,ソ連かぜ),H2N2(アジアかぜ),H3N2(香港かぜ)などが知られている.最近では2009 年に世界的に大流行したパンデミックH1N1 2009 がある.A 型は大流行するがB 型は局地的流行にとどまることが多い.毎年12 月ごろから流行し始め,翌年1~3 月ごろに流行の山がみられ,4~5 月ごろに終息していく.発病は急激で悪寒,高熱(39~40℃),頭痛,筋肉痛,全身倦怠感で始まり,遅れて咽頭痛,咳,鼻水などが出現する.乳幼児では下痢を呈することも多い.同じような症状を呈するものにアデノウイルス,パラインフルエンザウイルスがある.
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