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A/G比

A/G比

別名 アルブミン/グロブリン比

臨床的意義

  • 日常初期診療における基本的検査の一つとして利用する.また,アルブミンもしくはグロブリン量に異常をきたす疾患・病態の存在が疑われた場合や,その疾患の経過観察にも利用される.
  • 血清総蛋白量の測定値から病態を推察することには限界があり,A/G比は総蛋白濃度と組み合わせて,アルブミンの減少やグロブリンの増減を大まかに知り,生体異常の有無を知ることができる.
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基準値・異常値

基準範囲
1.3~2.0
変動要因
高値

低・無γ-グロブリン血症

低値

ネフローゼ症候群、  マクログロブリン血症、  悪液質、  悪性腫瘍、  栄養摂取不足、  感染症、  肝硬変、  急性・亜急性肝炎、  甲状腺機能亢進症、  自己免疫性疾患、  浸出性びまん性皮膚疾患、  多発性骨髄腫、  蛋白漏出性胃腸症、  腸吸収不良症候群、  本態性M蛋白血症、  慢性炎症性疾患、  慢性肝炎

 ・栄養不足性:栄養摂取不足,悪液質,腸吸収不良症候群
 ・肝障害性:急性・亜急性肝炎肝硬変
 ・蛋白漏出性:ネフローゼ症候群,蛋白漏出性胃腸症,浸出性びまん性皮膚疾患
 ・代謝亢進性:甲状腺機能亢進症
  • 主としてグロブリンの上昇による場合
 ・多クローン性:自己免疫性疾患,慢性炎症性疾患,慢性肝炎,悪性腫瘍,感染症
 ・単クローン性:多発性骨髄腫,マクログロブリン血症,本態性M蛋白血症

次に必要な検査
A/G比の変化のみから特定の疾患を推定することはできない.したがって蛋白分画の実施によりアルブミンとグロブリン分画の質的な変動をみる.
変動要因
総蛋白アルブミンの測定値から求めたものと,蛋白分画からのものとでは,蛋白分画で用いられている染色色素などによってアルブミンとグロブリンの染色性に差があるので算定値が一致しない場合がある.
( 伊藤喜久 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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