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ナイアシン

ナイアシン

別名 ニコチン酸(nicotinic acid),抗ペラグラ因子

臨床的意義

  • 本検査は,ナイアシン欠乏症を疑うときに行われる.また,ニコチン酸製剤のモニタリングとしても用いられる.
  • 血中ナイアシン濃度が異常低値を示したらペラグラ(荒れた皮膚の意味のイタリア語)を疑う.皮膚炎,下痢,認知症の症状があれば確診してもよい.
  • ナイアシン欠乏症はペラグラの主因である.原発性欠乏症は食事性トリプトファン摂取不足であるが,トリプトファンの不足もペラグラを誘起させる.二次性欠乏症として,下痢症,肝硬変,アルコール症,術後ビタミンを欠いた栄養輸液により起こることがある.イソニアシド(INH)治療,悪性カルチノイド腫瘍でも誘起される.
  • トリプトファンのニコチン酸への転換にはビタミンB6が必要なため,B6欠乏やB6代謝異常,B6拮抗剤投与により,ナイアシンの欠乏を起こす.また,トリプトファン-ニコチン酸経路の酵素活性欠損に基づく先天性トリプトファン尿症,キサンツレン酸尿症,ヒドロキシキヌレン尿症でも血中ニコチン酸濃度は低下する.
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基準値・異常値

基準範囲
4.7~7.9μg/ml
変動要因
高値

ニコチン酸製剤服用時

ニコチン酸製剤服用時

低値

Hartnup病、  キサンツレン酸尿症、  ビタミンB6欠乏症、  ペラグラ、  ポルフィリア、  先天性トリプトファン尿症、  糖尿病、  膀胱癌

トリプトファン-ニコチン酸代謝経路に異常のある疾患(ペラグラ,膀胱癌,ポルフィリア,Hartnup病,糖尿病,先天性トリプトファン尿症,キサンツレン酸尿症,ビタミンB6欠乏症など)

次に必要な検査
代謝異常を疑うときは,ニコチン酸代謝産物を測定する.
変動要因
医薬品由来か食品由来か,および経時変化を調べる.
( 橋詰直孝 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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