6-ケトプロスタグランジンF1α
6-ケトプロスタグランジンF1α
別名 | 6ケトPG-F1α,PGI2,プロスタサイクリン |
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臨床的意義
- 本検査は,血小板凝集の異常が存在する場合,血管攣縮の予想される場合などに行われる.
- 6-keto-PGF1αはPGI2より産生されるため,PGI2産生の指標となる.血管内皮細胞でPGH2から産生されるPGI2は,強力な血小板凝集抑制作用と血管拡張作用を有する.アスピリンなどのシクロオキシゲナーゼ阻害薬を投与してPG産生を抑えても,血圧の上昇は認められないことより,全身の血圧調節における意義は少ないと思われる.
- 血栓予防,動脈硬化の予防に有益なPGと考えられている.魚を大量に摂取するエスキモーで虚血性心疾患の発生率が少ないことは,よく知られている.魚油に含まれるエイコサペンタエン酸からは,不飽和結合を3個もつPGI3あるいはトロンボキサンA3が生じる.PGI3の血小板凝集抑制作用は減弱しないが,トロンボキサンA3の血小板凝集作用や血管収縮作用が弱まるためと考えられている.
- 6-keto-PGF1αの血中濃度のみならず,同時に測定したトロンボキサンB2濃度とのバランスで,血小板凝集が惹起されやすい状態か,逆に起こりにくい状態かを判定できる.PGI2の血中濃度は,数pg/mlときわめて低く,6-keto-PGF1αの血中濃度の測定にあたっても,抽出法・測定法に留意する必要がある.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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29pg/ml以下
- 高値
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アンジオテンシンⅡやブラジキニンなどで局所のPGI2産生が刺激されたとき
アンジオテンシンⅡやブラジキニンなどで局所のPGI2産生が刺激されたとき
- 低値
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アスピリンや非ステロイド系酸性抗炎症薬の服用時、 狭心症、 妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)
(測定感度10pg/ml未満)
心筋梗塞を含む狭心症,妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症),アスピリンや非ステロイド系酸性抗炎症薬の服用時
- 次に必要な検査
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トロンボキサンB2の測定も必要となる場合がある.
( 片山茂裕 )
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