リウマチ因子スクリーニング
リウマチ因子スクリーニング
別名 | RAテスト,リウマトイド因子定性反応 |
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臨床的意義
- RFは自己抗体の中で,膠原病では最も高頻度に検出されることから,免疫異常をチェックするスクリーニング検査法としても利用される.
- 関節リウマチでは約80%に陽性となる.RAテスト陰性のRAはseronegative RAとよばれてきた.陰性と陽性例での臨床像の違いは明らかでない.
- RF高値例ではRA活動性の高い例が多い.RA以外の疾患ではSLE,Sjögren症候群などの膠原病類縁疾患,細菌性心内膜炎,慢性肝疾患などでも陽性となる.老齢者でも陽性率は上昇する.以上のようにRAテストの特異性は高くない.
- 本検査は簡便であり,関節症状(関節痛,腫脹など)がみられた場合にRFスクリーニングとして行われる.変形性関節症や乾癬性関節炎(これらはRF陰性)との鑑別にも用いる.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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陰性
変動要因 - 陽性
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Sjögren症候群、 亜急性心内膜炎、 関節リウマチ(RA)、 混合性結合組織病、 重複症候群、 全身性エリテマトーデス(SLE)、 慢性感染症、 慢性肝疾患
- 高値:関節リウマチ(RA),全身性エリテマトーデス(SLE),混合性結合組織病,重複症候群,Sjögren症候群
- 低値:老齢者,非膠原病疾患(慢性肝疾患,亜急性心内膜炎,慢性感染症)
- 次に必要な検査
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RAテスト陽性の場合,RF定量値を測定する.また,ウサギIgGに対するRFをRAPA法にて測定する.RF値にかかわらず,RAが疑われたら,抗CCP抗体を検査する.さらに,IgGクラスRF,CA-RF,CH50,免疫複合体(mRF法)も検査する.関節滑膜の増殖度はMMP-3により知る.炎症マーカーとして赤沈,CRPを併せ検査する.
- 変動要因
- RAではRF陰性例が15~20%にみられる.陽性例でも種々のレベルの抗体価を示すものある.非RAでRF高値(強陽性)がみられたら,Sjögren症候群や,慢性肝疾患などの存在の有無をチェックする.RF高値例では,現在,RAと診断されなくても,将来,RAとなる可能性を考え,経過観察する.
( 吉田 浩 )
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