百日咳
pertussis
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「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
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Clinical Chart
- 遷延する咳を主症状とする疾患で,乳児では重症化して無呼吸発作を起こすことがある.
- ワクチン(DPT 三種混合ワクチン,DPT-IPV 四種混合ワクチン)の接種率の向上で患者数は激減したが,地域的に流行することがある.
- 診断は,特有の咳が認められれば比較的容易である.百日咳菌の培養同定は熟練を要する.血液中の白血球数増加(15,000~45,000/μL),リンパ球増加(70%以上)が参考になる.
- 治療は,マクロライド系抗菌薬が第 1 選択薬.
臨床症状・検査
(尾内一信・他監:小児科呼吸器感染症診療ガイドライン 2011. pp.81, 協和企画, 2011)
- ①一般に使用する鎮咳薬ではよくならない日増しに強くなる咳.
- ②咳き込みによる嘔吐,顔面紅潮,眼瞼浮腫,チアノーゼなどがみられる.
- ③咳が強いわりには,多くは発熱なく胸部所見に乏しい.
- ④病期は3 期に分けられ,病初期に感染力が強い.
- ① 前駆期(1~2 週間):感冒様咳嗽で始まり,夜間にひどくなる.
- ② 痙咳期(未治療で1 カ月):特有な連続性咳嗽と吸気性笛声を認める.この時期に合併症として肺炎,脳炎などがある.
- ③ 回復期:次第に(通常3~6 週で)軽快する.半年たっても上気道感染などで同様な咳発作を認めることがある.