脂質異常症
hyperlipidemia
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「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
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Clinical Chart
- 動脈硬化性疾患のリスクファクターの1つである.治療の目的は動脈硬化の予防である.
- メタボリックシンドロームの症候の 1 つである.
- 家族性高脂血症もまれではない(5%程度).
- 他の動脈硬化のリスクファクター(高血圧や糖尿病)の合併も多い.
- 無症状であっても,動脈硬化性疾患(特に狭心症)の有無を調べることが必要である.
- 甲状腺機能低下症などの二次性高脂血症にも留意する.
- 治療の基本は食事療法や運動療法などの生活改善である.これで降下が不十分なときに薬物治療を行う.
- トリグリセリドが 1,000 mg/dL 以上の高トリグリセリド血症では,高カイロミクロン血症を伴うことが多く,その場合には急性膵炎を起こす可能性があることを説明する.
検査
①14 時間以上絶食後に採血し,総コレステロール,トリグリセリド,HDL コレステロールを測定する.
②病態把握の目的で,アポ蛋白,Lp(a),リポ蛋白電気泳動も一度測定しておく.
③肝機能(AST,ALT,γGTP,LDH,ALP,ChE), CPK,腎機能(BUN,Cr,尿蛋白),UA,血糖, HbA1c.
④甲状腺機能低下症が疑われる場合は TSH,FT4.
⑤二次性高脂血症の鑑別(表3).
②病態把握の目的で,アポ蛋白,Lp(a),リポ蛋白電気泳動も一度測定しておく.
③肝機能(AST,ALT,γGTP,LDH,ALP,ChE), CPK,腎機能(BUN,Cr,尿蛋白),UA,血糖, HbA1c.
④甲状腺機能低下症が疑われる場合は TSH,FT4.
⑤二次性高脂血症の鑑別(表3).
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表3 二次性(続発性)高脂血症の分類
A.高コレステロール血症
1)甲状腺機能低下症
2)ネフローゼ症候群
3)原発性胆汁性肝硬変
4)閉塞性黄疸
5)糖尿病
6)Cushing 症候群
7)薬剤(利尿薬,β遮断薬,コルチコステロイド,経口避妊薬,シクロスポリン)
B.高トリグリセリド血症
1)飲酒
2)肥満
3)糖尿病
4)Cushing症候群
5)尿毒症
6)SLE
7)血清蛋白異常症
8)薬剤(利尿薬,非選択性β遮断薬,コルチコステロイド,エストロゲン,レチノイド)