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スーパーオキサイドディスムターゼ

スーパーオキサイドディスムターゼ

略称 SOD
別名 スーパーオキシドジスムターゼ

臨床的意義

  • スーパーオキサイドは酸素が1電子の還元を受けたもので,その反応性はきわめて強く,脂質の過酸化,酵素の失活,DNAの不活化,メトヘモグロビンの生成,生体膜の破壊など,生体にとって傷害性を示す.
  • この有害なスーパーオキサイドを除去する働きを有するSODを測定することにより,老化,炎症,発癌,動脈硬化などとの関連を推測できる可能性が期待できる.
  • Cu,Zn-SODは肝臓や赤血球中に多量に存在するため,肝疾患や悪性腫瘍などで上昇する.また,家族性筋萎縮性側索硬化症との関連で研究も進められている.
  • Mn-SODはサイトカインなどの炎症性メディエーターが関与する炎症性疾患で,組織破壊を伴う際に血中に逸脱し,高値を示す.
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基準値・異常値

基準範囲
6.4~12.8%
変動要因
高値

ARDS(成人呼吸窮迫症候群)、  胃癌、  肝細胞癌、  急性肝炎、  急性肝炎、  急性心筋梗塞、  原発性胆汁性肝硬変、  食道癌、  大腸癌、  胆道癌、  卵巣癌、  膵癌

  • 主としてCu,Zn-SOD上昇に由来:急性肝炎胃癌,膵癌,大腸癌,胆道癌,食道癌
  • 主としてMn-SOD上昇に由来:卵巣癌,原発性胆汁性肝硬変,急性心筋梗塞,ARDS(成人呼吸窮迫症候群),急性肝炎,肝細胞癌

次に必要な検査

各SODの分別測定.
変動要因
  • 疾患や病態によってはSODの総活性と抗原量との間に乖離がみられる場合がありうることを考慮する.
  • Cu,Zn-SODは特に赤血球中に多量に存在するため,溶血の影響を受ける.
  • 血清中のアルブミンセルロプラスミンがSOD様活性を示すことがあるので,考慮する.
( 石井周一 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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