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ロイシンアミノペプチダーゼアイソザイム

ロイシンアミノペプチダーゼアイソザイム

別名 LAP isozyme

臨床的意義

  • LAP上昇の原因を調べるために本検査を行う.特に,説明しがたいLAP上昇がある場合.
  • アリルアミダーゼの上昇がある場合,肝胆道系の閉塞性病変を疑う.また,薬物によるミクロソーム誘導が疑われる.これらの場合,アルカリホスファターゼ(肝型)およびγ-GTの上昇も伴っていることが多い.
  • CAPの上昇は,妊娠後期に認められる.
  • C-LAP上昇は,肝細胞が損傷する肝炎(ウイルス性,薬剤性,自己免疫性),白血病やリンパ腫,SLEなどの自己免疫疾患,アトピー性皮膚炎・薬疹・紅皮症などの皮膚疾患,麻疹風疹などのウイルス感染症で認められる.
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基準値・異常値

基準範囲
  • α1位にアリルアミダーゼ
  • α1~α2位にシスチンアミノペプチダーゼ
  • β位に可溶性アミノペプチダーゼ
  • (酵素名については【→】「ロイシンアミノペプチダーゼ」前項)
変動要因
高値

ウイルス感染症、  悪性リンパ腫、  肝炎など肝細胞傷害、  肝胆道系閉塞性疾患、  自己免疫性疾患、  妊娠後期、  白血病、  皮膚炎

  • α1位:肝胆道系閉塞性疾患(原発性・転移性肝腫瘍,胆道癌,膵癌,胆石症,胆のう炎など)
  • α1~α2位:妊娠後期
  • β位:肝炎など肝細胞傷害,白血病,悪性リンパ腫,自己免疫性疾患,皮膚炎,ウイルス感染症

次に必要な検査

  • 肝胆道系閉塞性疾患の疑いがある場合,ALP,γ-GT,ビリルビン,アミラーゼ,腹部超音波検査など.肝胆膵を標的として考える.
  • 可溶性LAP上昇がある場合,ASTALT,LD5の上昇との組み合わせで肝細胞由来か否かが推測できる.肝細胞由来でなければ,リンパ球由来と考えられるため,炎症性病態,血液悪性腫瘍,自己免疫疾患,皮膚炎などを鑑別する.
変動要因
  • 家族性高LAP血症ではα1位のアリルアミダーゼの上昇が認められる.家族性が疑われた場合は,状況に応じて家系検索などを行う.
  • LAP高値症例の中には免疫グロブリンとの複合体の例があり,通常と異なる移動度に活性帯を認めるので,他の酵素アノマリーと同様に免疫固定法などで同定する.
( 前川真人 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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