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分泌型IgA

分泌型IgA

略称 S-IgA

臨床的意義

  • 本検査は次の場合に行われる.
  1. ①IgA濃度は正常範囲であるが,反復性の感染が認められるとき.
  2. ②副鼻咽腔・気道の感染,および胃腸の障害を起こしやすいとき:分泌型IgA欠損症では気道,胃腸の侵される場合が多い.分泌型IgAは細菌を凝集して細菌の粘膜面への付着,増生を抑制したり,非生物抗原と粘膜面で結合して粘膜からの吸収を抑制して体外にとどめる.ほかにはリゾチームと共同して溶菌作用を示したり,ラクトフェリンの静菌作用を補助する.
  • 分泌型IgAには抗細菌抗体,抗毒素抗体,ウイルス中和抗体,同種血球凝集素,アレルゲンに対する阻止抗体,自己抗体(抗内因子抗体抗精子抗体)などが証明されている.
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基準値・異常値

基準範囲
男性323±95μg/ml,女性199±59μg/ml
変動要因
高値

Aldrich症候群、  RA、  SLE、  アトピー性皮膚炎、  ループス腎炎、  慢性肝疾患

慢性肝疾患,Aldrich症候群,SLE,RA,ループス腎炎,アトピー性皮膚炎

次に必要な検査

自己免疫性疾患の合併の有無を確認する.
低値

ataxia telangiectasia、  ネフローゼ、  感染症、  橋本病、  選択的IgA欠損症

選択的IgA欠損症,ataxia telangiectasia,感染症,橋本病,ネフローゼ

次に必要な検査

  • 先天性欠損症の場合は家系調査を行う.
  • 感染症の有無とその種類を調べる.
変動要因
技術的な原因で誤差が生じるときは他の測定法(あるいは異なるメーカーの抗血清を使用)で確認する.
( 藤田清貴 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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