咳と喘鳴
cough and wheeze
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「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.
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Clinical Chart
鑑別診断
- ①咳の性質
咳は喀痰を伴うか否かによって,乾性咳嗽と湿性咳嗽に分けられる.そのほかに痙攣性咳嗽,犬吠様咳嗽があるが乾性咳嗽に含まれる.- ① 乾性咳嗽:喀痰や喘鳴を伴わない“コンコン”という乾いた咳で,なかには刺激性が強く胸痛を伴うものもある.咽頭・喉頭の刺激により起こり,かぜ症候群,インフルエンザ,急性気管支炎の初期,胸膜炎や気胸でみられる.また,タバコの煙や塵埃,刺激臭のあるガスも原因になる.チックやヒステリーも心因性に乾性咳嗽がみられる.
- ② 湿性咳嗽:喀痰を伴う咳嗽.小児では痰のからんだ咳と訴えることが多い.乳幼児ではゼロゼロということがある.疾患としては,急性気管支炎,急性細気管支炎,肺炎,膿胸,気管支喘息など多くでみられる.また,心不全で気道粘膜に充血浮腫のある場合にもみられる.
- ③ 痙攣性咳嗽(痙咳):咳が連続性に激しく出て,時に嗄声や嘔吐を伴う.咳が1 カ月以上続き,ほかにアレルギー疾患が認められれば,アレルギー性気管支炎の可能性が高い.夜間,連続的に咳き込んで顔面紅潮や嘔吐を伴う場合には,百日咳やマイコプラズマ感染症が疑われる.百日咳は特有なレプリーゼという吸気音(コンコンコン…ヒュー)を伴う.また,突然発症した場合,ピーナッツなどの気管支異物も考慮する.気管支喘息もよくみられる.
- ④ 犬吠様咳嗽:イヌの遠吠えのような(オットセイのような)太い咳で,声帯の腫脹がありしばしば嗄声を伴う.夜間に突発すればパラインフルエンザなどのウイルス感染による仮性クループのことが多い.
- ① 乾性咳嗽:喀痰や喘鳴を伴わない“コンコン”という乾いた咳で,なかには刺激性が強く胸痛を伴うものもある.咽頭・喉頭の刺激により起こり,かぜ症候群,インフルエンザ,急性気管支炎の初期,胸膜炎や気胸でみられる.また,タバコの煙や塵埃,刺激臭のあるガスも原因になる.チックやヒステリーも心因性に乾性咳嗽がみられる.
- ②喘鳴の性質・発現の仕方による鑑別