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咳と喘鳴

別名 cough and wheeze

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 小児の主訴のなかでは比較的多く,上気道あるいは下気道に何らかの異常を示すと考える.多くは 1 週間前後で軽快する.
  2. 咳・喘鳴の性質によりある程度鑑別が可能である.
    ①乾性咳嗽か湿性咳嗽か,犬吠様(イヌかオットセイが鳴くような)咳嗽か,夜間増悪する咳か,入眠すると消失する咳か.
    ②随伴症状:発熱,鼻水,嘔吐胸痛などの症状はあるか.
  3. 呼吸困難を伴うか,全身状態が悪いかの判断が必要.緊急を要するもとのとして気道異物,クループ症候群,喘息発作などがある.
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鑑別診断

  1. ①咳の性質
     咳は喀痰を伴うか否かによって,乾性咳嗽と湿性咳嗽に分けられる.そのほかに痙攣性咳嗽,犬吠様咳嗽があるが乾性咳嗽に含まれる.
    1. ① 乾性咳嗽:喀痰や喘鳴を伴わない“コンコン”という乾いた咳で,なかには刺激性が強く胸痛を伴うものもある.咽頭・喉頭の刺激により起こり,かぜ症候群インフルエンザ,急性気管支炎の初期,胸膜炎や気胸でみられる.また,タバコの煙や塵埃,刺激臭のあるガスも原因になる.チックやヒステリーも心因性に乾性咳嗽がみられる.
    2. ② 湿性咳嗽:喀痰を伴う咳嗽.小児では痰のからんだ咳と訴えることが多い.乳幼児ではゼロゼロということがある.疾患としては,急性気管支炎,急性細気管支炎,肺炎,膿胸,気管支喘息など多くでみられる.また,心不全で気道粘膜に充血浮腫のある場合にもみられる.
    3. 痙攣性咳嗽(痙咳):咳が連続性に激しく出て,時に嗄声や嘔吐を伴う.咳が1 カ月以上続き,ほかにアレルギー疾患が認められれば,アレルギー性気管支炎の可能性が高い.夜間,連続的に咳き込んで顔面紅潮や嘔吐を伴う場合には,百日咳やマイコプラズマ感染症が疑われる.百日咳は特有なレプリーゼという吸気音(コンコンコン…ヒュー)を伴う.また,突然発症した場合,ピーナッツなどの気管支異物も考慮する.気管支喘息もよくみられる.
    4. ④ 犬吠様咳嗽:イヌの遠吠えのような(オットセイのような)太い咳で,声帯の腫脹がありしばしば嗄声を伴う.夜間に突発すればパラインフルエンザなどのウイルス感染による仮性クループのことが多い.
  2. ②喘鳴の性質・発現の仕方による鑑別
    1. ① 急性発作性に出現する喘鳴はクループ症候群を考える.ウイルス性の急性喉頭炎(仮性クループ)では,吸気性呼吸困難,嗄声を伴う.現在,わが国ではジフテリアはまれ.インフルエンザ桿菌による急性喉頭蓋炎も少ない.異物や外傷,アレルギーによる喉頭浮腫も発作性に起こる.
    2. ② 夜間,早朝に好発し,呼気性の喘鳴は喘息を考える.
    3. ③ 夜と昼の喘鳴が同じ程度なら,先天性喘鳴や血管輪,炎症性疾患(気管支炎,肺炎,細気管支炎)が疑われる.

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